5チャンネルの苦悩

 部長になればタクシー券と直通電話が付く。総務は動いてくれたが経費削減のため、タクシー券、直通電話は総務部に(影の社長の)Bさんは不要との回答だった。そんな部長は一人もいない。Bさんの上役が総務部に掛け合ってもBさんを説得できないと総務部としては動けないとの事。Bさんは至るところに顔を出すのでBさんと同席することはないと言われれば、社内の集まりにも出席できない、来客にも会えない、陰の社長Bさんからは管理職と認めないと言われれば社内がそれに従うので組織上では部下でも指示に従ってもらえない。幕張メッセである放送機器展にも一人だけ出張の許可が下りない。明らかに他の部員との扱いが違う。

 「この会社はBさんの個人会社なのか」と上司のCさんに上申するも「所詮テレビ〇日系列局はテレビ〇日の子会社だ。社長だってテレビ〇日が決める。株式会社は株主のもので株主の権利であり、それが世の常だ。」「間違っているかもしれないがBさんのやることは社長公認だから仕方がない。」との事。

 影の社長のBさんがいる以上、部長と認めてもらえないので、社内会議や系列会議には出席できないし来客にも会うこともできない。部長の椅子にしがみつくつもりはないと上司のCさんに伝えざるを得なかった。我慢、我慢。

 理不尽、不条理だと思っても不平不満は受け付けてもらえない。どんな状況でも腐らず仕事をする。これが5チャンネルの社員だ。

 

5チャンネルの悪夢

 開局以来の大きな設備投資をするので社内で提案募集があり、Bさんと異なる案を提案したいと上司のCさんに上申したら「提案を出しても良いが、(Bさんの)顔に泥を塗ることになる。喧嘩を売る覚悟はあるのか。」と。当初は冗談かと思ったがそうではなかった。会社にその提案が採用されることは最悪な結果を招く事になる。

5チャンネルの我慢

 社長に全権を任されているテレビ朝日OBのBさんが言えばそれが通る。「(自分の席のある場所以外で)君と同席することはない。テレビ〇〇放送網だって同じことをやっている。」、「君を部長とは認めないので社内会議や系列会議にも出さない。会議に出席するメンバーはBさんが決める。」、「この部署が不在になって連絡が取れないのは問題なので部長は留守番として待機せよ。(入社式、年賀式、打ち上げなどの社員が集まる場所には参加できない。)」「予算会議の日程は必ず地域の会議の日と重なる日程をBさんが指定するため、予算会議には出られない。」とこんな状況が続けばBさんの上役も分かっていたが誰も止められない。

 放送機器のデモンストレーションが会議室であった時もまずは部下に見てもらえ、部長は留守番と言われていた。部員が戻ってきたのでデモンストレーションの見学の許可がおり、会議室に行ったら機器の撤収が終わっており、帰る間際でデモンストレーションは見ることはなかった。こんな事が何回も続いた。

 役員の体制が代わり、メーカが挨拶に来た時もそれまでと同様に同席できるものと思っていたが応接室の入口で待っていたBさんに同席を拒否された。以後、他のメーカが来ても同じだった。Bさんの上役の方は「テレビ〇日OBだけでなく、地元の人にも同席してもらうように言われているから同席して良いよ。」と言うが「Bさんが承知しないと同席できないので説得してください。」との返答に「困った事だ。」で終わる。

 Bさんや上役の方の都合を確認し、来社日時を決め、会議室を押さえていたが、毎回、会えないのでメーカの人がBさんに尋ねると「(会社の駐車場まで電話で話していたのに)急に仕事が入った。」とか「外出中」との回答が続いた。メーカの人が直接Bさんに部長に会うことはできないのかと尋ねると知らない間に来社時間を変更していた。その日時は管理職の集まる会議と重ねた日時だった(会議の日程は何か月も前から決まっている)。結局、久しぶりに出席予定の会議には出席できず、メーカの人に会えたが後味の悪さだけが残った。流石にメーカの人も堪忍袋の緒が切れてBさんの上司に伝えられたがAさんからは結局、「困った事だが我慢してくれ」で終わった。

 

5チャンネルの悲哀

 地上デジタル放送の開始前に組織上では1人増員したがキー局から出向の影の社長と言われるBさんに承諾してもらえず他の担務に割り振られた。社長が承認した組織よりBさんの意思が優先する。結局、同業他社が3人以上でやっている仕事を1人でする事になる。1週間連続の昼夜勤務が何回も続いたり、数ヶ月休みなしも当たり前だった。「他の部員にそんなことをさせたら死んでしまうから絶対させられない。だけど君は現に生きている。」との事。

 他社と違い1人しかいないので同時に2か所の調査には行けない、仕事のクオリティにも限界があり、当然、他局よりクオリティが落ちる。そんなことが続き他局よりクレームが入る。社長も承認している組織表通りに戻してもらいないかと上申してもBさんが了承しないで終わりだ。

  深夜作業明けで長距離を運転して万が一事故でも起こしたら会社にも迷惑をかけるので辞令通りに担当を戻してもらうように上申しても拒否される。結局、徹夜作業の終了後、そのまま丸1日ひとりで運転し、出先で作業をし、また長距離を運転して帰社して深夜勤務することになる。

  何人かで深夜作業を行ったとき部員は徹夜明けで帰っても休暇届の提出は不要でも部長は365日24時間営業だから日中にいないのなら休暇届出せと。退社してから2時間程で出勤し、通常勤務をする事になり、一人だけ昼夜勤務がスタンダードになる。

5チャンネルの憂鬱

 多くの方に背中を押されたのでこのブログを開設致します。

 

 テレビのローカル局はキー局から独立した株式会社であるがあらゆる面をキー局に負うところが大きい。

 株式会社は株主のものだから筆頭株主のキー局から出向の役員は何でもできる。普通の企業では考えられない事もキー局の論理が通る。無理が通れば道理が引っ込む。

 

 キー局から出向のSさん、Aさん>Bさん>Cさんの職位

 

 部内の序列は(影の社長と言われる)Bさんが決めると言えば辞令なんて関係なしでその通りになる。

「辞令なんて関係ない。テレビ〇日は株主だ。株式会社は株主であるテレビ〇日のものだ。テレビ〇日系列なのだからテレビ〇日のルールに従ってもらう。」「(組織上で部下なのに辞令なしの口頭で)この部内のトップは〇〇君にする」と言えばそれがまかり通りその処遇になる。職位順は組織図の通りだと総務当局が言っているとCさんに上申するも「総務局長ごときより(影の社長と言われる)Bさんの一言が優先する。社長の了解を得ているBさんの意思だから仕方がない。」との回答だ。

 理不尽な事でも複数の経営者が言えばそれが通る。大きなバックボーンがあれば別だがそうでなければテレビ〇日を敵に回してはローカル局では生きていけないと言われれば従わざるを得ない。